今から10年ほど前になりますか、30才を過ぎて独身で、親元に住み続けて、といういわゆるパラサイトシングルの自分に疑問を感じ始めたのです。社会人としての経歴はどんどん長くなっていきますが、これじゃ独立してないよね、って。それで実家を出て一人暮しをすることにしたのです。
そこで考えました。賃貸のマンションなら入居できるだろうけれども、賃貸というのはどれだけ家賃を払い続けても、柱一本、扉一枚として自分のものにはならないのですよ。昔から友人からも「堅実」と言われていた性格の私です。よくよく考えた末に決めたのが、マンションを購入することでした。
それからは物件探しです。お給料はたいして多くはなかったけれど、無駄遣いせずにコツコツ貯めた貯金が頭金になりました。あとは働いて返していける範囲でどれだけの物件が買えるか。
都内のあるワンルームに出会いました。ターミナル駅から私鉄で数駅、駅からは徒歩4分という、通勤に便利な場所でした。思い切ってそのワンルームマンションの購入しました。家というのもご縁だと思うのです。女一人でローンをかかえていけるのかと親は心配しましたが、そこはなんとかなる、真面目に働いていくだけ、そう心に念じて決めました。
住まいは快適でしたよ。一人分の生活にちょうど合ったサイズのコンパクトなマンションで、心地よく暮せました。そして数年後、私はそこから引っ越すことになりました。
結婚したのです。相手もマンションを所有していて、そこに移りました。そして私名義のワンルームは今、賃貸にしています。おかげで毎月家賃収入があるので、私のお小遣いはバッチリ、助かっています。あのとき思い切って購入して、本当によかったと思っています。